January 10, 2022

書評:天野忠幸「三好一族 -戦国最初の『天下人』」

20220110-220908

初の天下人(畿内の覇者)を輩出した知られざる戦国大名、三好氏にスポットを当てた力作。こういう本が新書で拝めるというのだから有難い。
三好氏というと、松永久秀による乗っ取りだとか、将軍弑逆とか、信長の当て馬といったマイナスイメージがあり、これといった影響を残していないように思っていたが、時間と虚構のベールを剥いで、一次史料から浮かび上がらされた「実像」は全く違っていた。
・室町将軍(足利氏)の権威を当てにせぬ統治、朝廷政策
・経済的重要地への代官の配置
・既存の名家に頼らず、一族・直属の家臣への分国
全盛期の当主、三好長慶の政策をごく大雑把にまとめると上の3点に帰着する。
これってどこかで見たことがあるよな、と記憶を辿ってみると、信長がやりかけ、秀吉が(一応)完成させた統治のスタイルである。何と先進的なことか。残念なことに長慶は嫡子の義興とともに全盛期の現出から5年も経たないうちに病死してしまう(かつては松永久秀による毒殺を噂されていたが、彼にそのような暴挙をして得られるメリットはなく、空説であることが指摘されている)。惜しいかな跡を継いだ一族(甥)の三好義継はまだ若く、家中の分裂を制御できていない最悪なタイミングで「将軍」足利義昭を押し立てた信長に乱入され、果敢に抵抗を試みるも、「天下」は横取りされてしまう---
(自分を含め)多くの者が「もし、本能寺の変がなかったら」を夢想するが、本書を読んだ後だと「もし、長慶が長命していたら」に夢想の先は切り替わる。圧倒的な先進性と経済力を前に、信長すらも一地方大名に終わってしまったのではないだろうか。そうするともちろん秀吉・家康の出る幕はなくなるわけであるが、近世日本はどんなものになっていたのだろうか?
意外なことに、著者の答えは明快だ。
「貿易を求め、明朝中国に戦を仕掛ける」
間接的な形とはいえ三好氏の後継者となった秀吉が朝鮮に攻め込んでいったのは誇大妄想でも老人ボケでもなく、当時の東アジアの情勢をみれば当然の帰結ということになる。著者はそこで、貿易を要求して北京を包囲したアルタン・ハーンの例を挙げるが、正直言ってそこまで考えたことはなかった。まさに頭を引っ叩かれた気分である。
1976年生まれと若い著者がマル経史観から自由なのはまぁ当然なことなのだろうが、「唐入り=暴挙」とみなす戦後民主主義的史観(自虐とするかどうかはここでは置いておく)からも自由であることには驚きとともに、自分(1960年代生まれ)の老耄を感じざるを得なかった。
あと、本書では挿話的な扱いに限定されているが、関ヶ原の西の主力は毛利、と当然のように書いている点も見逃せない。実はこの毛利、反「三好」主義=室町将軍の庇護者として天下のヘゲモニーを握るチャンスがあったのだが、目先の利益に囚われてそれをみすみす逃している。まだ「両川」が健在な頃の話であり、とすると関ヶ原での大失敗も毛利輝元個人に責任を帰すよりも家の体質に問題があったのではないかと疑いたくなる。

昨今の新書ブームの中、中公は一貫してこういう硬質な良書を続けてリリースしてくるので特に目が離せない。実は著者の本はすでにもう一冊読んでいたことに気づいた。平凡社の「松永久秀と下剋上」がそれで、新書ほど読みやすくはないが幾つか目からウロコが落ちるような指摘があるのでこちらも強くオススメだったりする。

そういえばここ何年か、徳島県が観光資源化を目指してNHKに三好一族の大河ドラマ化を陳情しているらしい。後半の主役は主家の没落を憂う「忠臣」松永久秀とすると面白いのではなかろうか。

 

…と、偶には真面目なことも書いてみたくなるのだ。

July 24, 2010

半年ぶりの読書ノート

マンガばっかり読んでるぞバカになるぞ。
■もやしもん9(石川雅之)
 作者自身が突っ込んでいるが、実際には5年かけて半年も話は進展していないグダグダぶりは却って安心ができるというものです。
■7人のシェイクスピア1(ハロルド作石)
 良くも悪くも、全く今後が読めない。尻つぼみになってほしくないのだが…
■じょしらく1(ヤス/久米田康治)
 これ、「萌え」なのか?全然そう思わなんだのだが。「のむうつかう」は大笑いしたが。
■中春こまわり君2(山上たつひこ)
 なにげに社会派ホラーの逸品集。こまわり君の存在が全てを救う。
■さよなら絶望先生 19〜21(久米田康治)
 えーと、何か進展あったっけ?俺にとっての久米田先生は橋田壽賀子。
■テルマエ・ロマエ(ヤマザキマリ)
 なんかの大賞をとったそうだが当然の傑作。主人公(古代ローマ人)といちどスーパー銭湯で同浴したいものである。
■ナポレオン 獅子の時代 13(長谷川哲也)
■ アイゼンファウスト4(長谷川哲也)
 もうなんか長谷川マジック炸裂で頭がクラクラする。しかしナポだが、ここまでエジプト遠征を実も蓋もなく描いた本ってあったのだろうか。いいぞもっとやれ。
■東京お侍ランド1(ほりのぶゆき)
 侍マンガといったらこの人。表紙からしてイヤに(←いい意味)になります。
■黒鷺死体宅配便 12(山崎峰水)
 そろそろ作画者は原作者と手を切った方が良いのではないか?ここの原作者って、いつもキャラ設定に夢中になって話を放り出すから…

一応活字だけの本も読んでいる。
■歴史(ポリュビオス)
 ハンニバル戦争前後の共和制ローマ興隆期をギリシア人が書いた本。並行してギリシア史にも踏み込んでいるので大変興味深いが長い長い(なんといっても著者が「俺の文章はどうせクドいよ」と開き直っているし)。今世紀(!)中に全巻完訳されるかどうか。
■白銀の誓い(リンゼイ・デイヴィス)
 古代ローマの探偵物、という設定には魅かれたが… 最近小説を読んでいないこちらの視野が狭まったのかな?とにかく本筋以前に話がつまらない。
■第一次世界大戦 その戦略(リデル・ハート)
■ナポレオンの亡霊(リデル・ハート)
 エラい人ほど経験不足、という軍隊の逆説的問題を恐らく最初に突っ込んだ著作。銃剣で機関銃に突っ込ませたバカって我が国の某馬鹿大将だけではなかったのですね。
■アクシオン・フランセーズ(ジャック・プレヴォダ)
 フランス人著書のマニアックな本ばかり紹介している白水社の新書クセジュだが、これはとても大切な本。如何に威勢のいい「右翼」が救いの無い馬鹿なのか実例を以て教えてくれる。ある意味ナチ以上に弁護のしようがないぞこいつら。
■フェルマーの最終定理(S.シン)
 「暗号解読」の著者の本(というか、こちらで名を上げた)。政治家だったり官僚だったりで、歴史に深く関わった18世紀に比べ、学窓に籠りきりの現代の数学者がツマラン、という感想を抱いたのは俺だけでしょうか。
■イブン・バットゥータの世界大旅行(家島彦一)
 マルコ・ポーロにパクられたと思われる人。行った先で大臣になっちゃたりするのだから凄い(しかも仕えた相手は最大級の暴君)。
■リリー・フランキーの人生相談
 人生相談の体裁をとったダメ人間図鑑。ま、この人は「図鑑」だけが面白い訳だが。
■深海生物ファイル(北村雄一)
■深海生物図鑑(北村雄一)
 やっぱり深いだけあってただ者ではない世界。「メガマウス」の発見は世紀の大事件のように思えるのだが違うか?(1970年代の「ニューネッシー」の正体はまちがいなくコレだと思う)
■イタリア・ルネサンスの文化(ブルクハルト)
 まぁもの凄い権威をもった本なのだが、著者の出自からか、すげー真面目な人が感覚的な事業を理詰めで解説してしまっているような気もする。
■黒死病 ペストの中世史(ジョン・ケリー)
 死亡率1/3というと半数未満だが1世帯に一人、あるいは両隣のどちらかが必ず死ぬと考えれば恐怖度は格段にアップ。キルギル辺りのハムちゃん、という可愛過ぎる病原もミソ。
■ヴォルガ・ブルガール旅行記(イブン・ファラドーン)
 ブルガリアではなくて、(おそらく)先祖が同一で現ロシアに拡散した部族への訪問期。一神教(キリストorイスラム)に染まる前の多様な文化が著者の制約(←アラブのバリバリのムスリム)にもかかわらず活写されている。
2010072402


December 08, 2009

読書ノート

20091208_2
最近、朝の通勤電車で立ったまま眠るスキルを身につけてしまったので、なかなか進まない。
相変わらずの偏りっぷりだけど、最近動物方面(ごく一部)に浸食中。

まずは定番の革命〜ナポレオンもの。
■小説 フランス革命IV 議会の迷走
 嵐の前の静けさを感じさせる時期。実は大騒ぎしているのだが、まだミラボー以外は誰も死んでいないのでその後に比べれば不気味でもある。
■静粛に、只今天才勉強中!(全巻大人買い)
 只今絶版中。実は打ち切りだったのだが、登場人物の切り捨てぶりには逆に感心していた。復刊してほしいが、地味か。
■ナポレオン 獅子の時代12
 こちらはド派手な展開。掘られるわ両脚は千切れ飛ぶわ「わしは、殺し合いが好きじゃあ!」だわ。
■ナポレオン フーシェ タレーラン
 「ぼくのかんがえたタレーラン」みたい。フーシェはともかく、ナポの扱いが酷過ぎる。勝ち戦は数行なのに負け戦は1章さくなんて。

最近新刊書がドカドカ出て来て嬉しいビザンツ関係:
■ヴァリャーギ ビザンツの北欧人親衛隊
 出稼ぎバイキングの記録。帰国してノルウェー国王になってイングランドも征服しようとして失敗した奴までいたなんて何て多士済々。
■ビザンツ 文明の継承と変容
 全く面白くなかった中公の「新 世界の歴史」シリーズで唯一楽しめた巻の著者による。「戦争」への文明人らしい接し方を考えさせられる。でも、周囲が全員野蛮人の場合…
■第四の十字軍 コンスタンティノポリス略奪の真実
 「夷を以て夷を制す」の破綻と見るか、縮小均衡の行き着くところと見るべきか。しかしこれほど物事が最悪に転んでいく例も珍しい。

以下、その他歴史関係:
■ニコライ2世の日記
 何か異常に鈍い人に思えたが、王室に産まれるとこういう性格になることもあるのだろう。逆にアグレッシブすぎるとカイザー・ヴィルヘルムになってやっぱり帝国滅亡なので難しい。
■ヴォルガ・ブルガール旅行記
 アラブ=イスラーム帝国の使者が見た、10世紀の北方遊牧国家。最後にロシア人の火葬を見物しているが描写が細か過ぎる。絶対楽しんでいると見た。ダメでしょムスリムが異教の葬儀で盛り上がっちゃ。異常に丁寧な注釈だけで一冊分の価値あり。
■幻想の古代史
 考古学研究について回るトンデモ史観と偽造捏造を滅多切りにしてくれる、学生向け入門書。各章の終わりに練習問題がついていてお得。なお、我が国のゴッドハンド某も堂々登場している。教材として。

生き物を買い出したので、死なせぬためにも知識が必要である。
しかし、それを言い訳に更に本を買いまくるのはどうかと。
■爬虫・両生類ビジュアルガイド イモリ・サンショウウオの仲間
 表紙に堂々と誤植がある珍しい本。著者の経歴も寺に新聞社にTVエンジニアを経て小動物ブリーダーと、何だか壮絶だ。購入してから気づいたが、ぜんぶ輸入種だった。でも良い事が書いてある。
■ザ・爬虫類&両生類
 上の本よりかなり初心者向けで読みやすい。しかしさすがにオオトカゲやカミツキガニとか有毒ヘビは飼う気にならんなぁ。
■フィールドベスト図鑑 日本の水棲動物
 ポケットサイズなのに魚と貝以外の淡水・海水動物が殆ど網羅されているのは凄い。おかげで我が家で飼っている不気味な生き物が「イワビル」ということも分かりました。
■淡水産エビ・カニ ハンドブック
 薄っぺらいが図版が大きめのカラーで充実。それにしても沖縄の淡水動物は実に多様で羨ましい。

あとは続けて読んでいるマンガ。雑誌は全く読まなくなったので情報が入りにくくてキツい。
■アイゼンファウスト3
 連載媒体(携帯)が終わってしまったらしいが、ただでさえ尋常ではない山田風太郎の原作をとんでもないことにしている希有な時代劇画なので頑張ってほしい。
■さよなら絶望先生19
 ここに来て何か重要そうなお姉さんキャラ登場。でも作者の前歴からいって油断ならない。
■黒鷺死体宅配便12
 このところ切れがないというか、ヒネりが足らないというか …作画者ひとりで書いた方が面白くなるのでは?

次回はいつになるか見当もつかないが溜めている本を優先していかないと。

September 11, 2009

なつやすみどくしょかんそうぶん

大チビの小学校では夏休みに10冊本を読んだら「読書の達人」認定証が貰えるらしい。
大チビが読破した本は以下の通り。
■森のネズミの冬ごもり
■森のネズミのおひっこし
■はるにあえたよ
■森のネズミのおひっこし
■ソリちゃんのチュソク
■森のネズミのかくれんぼ
■おおきなきがほしい
■ブンブンぷんかちゃん
■おやすみおやすみぐっすりおやすみ
■あっちゃんのはたけ
…なんかダブルカウントされているような気がするが、とにかく表彰されたので羨ましい。

親父も↓これだけ読んだのだから、表彰してほしい。(一行感想付き)
■シュメル 人類最古の文明
 今のアラブとは容貌も随分違った人たちだったらしい。
■羊皮紙に眠る文字たち スラブ言語文化入門
■その他の外国語
 スラブ系マイナー外国語入門書。ペルシア語好きでも楽しめた。
■トラック運送業の人事
■トラック運送企業のマネジメント
■トラック物流 たくましい経営
■物流の基本&実践がイチから身につく本
 俺の職場はホワイトカラーだらけで現場主義でないから困る。
■ビザンツ文明
 結局は滅び去った文化。だから美しい。生き残った文明よりも遥かに輝く。
■ギリシア史I
 没落期のギリシア諸都市の泥沼戦史。面白いが情けなくて泣けてくる。
■さよなら絶望先生18
 作者通算では60冊越えの筈。なんかもう「こち亀」を抜いてほしい。
■マニ教
 壊滅した宗教。でもしぶとく断食などの習慣をイスラム教に遺した。
■無神論
 キリスト教社会での無神論史。一神教の克服過程は異教徒から見たら滑稽。
■ゴミ分別の異常な社会
 「汚物は消毒(消却)だ〜!」でいいと思っているので何を今更。
■クビライの挑戦 モンゴル海上帝国への道
 恐らく日本一のクビライ萌えな人が書いた本。
■イブン・バットゥータの大旅行
 モロッコから中国まで40年かけて旅行した偉大なヒマ人。
■アーリア人
 イラン系民族史。非イスラム教徒が殆ど残存していないのは興味本位に残念。

June 28, 2009

読書メモなど

長女が自力で一輪車に乗れるようになった。
次女はお絵描きにはまっている。
カミさんは来週にでも産みそうだ。
そして、親父はひたすら本を読む。
2009062801

■春秋左氏伝
孔子を輩出した「魯」の国の年代記。
周公の裔、という栄光だけで終わるところが孔子と本書(「春秋」自体は孔子の編纂との説もあり)の存在で永遠となった。
どんなに強大化されても「楚」をは五段階爵位(公侯伯子男)の下から二番目で「楚子」と扱う辺りに没落国家の悲哀とプライドを味わえる。
一方で同じ弱小国の「鄭」の宰相、子産のリアリストぶりには感動を覚える。 
■センゴク外伝 桶狭間戦記2(宮下英樹)
若き日の義元と雪斎のキャラが立ちまくっていた一巻の出来を期待したらガッカリ。なんか、青春時代の信長の描写が平板。
ただのチンピラにとどまっており、本編へと示唆されるべき「狂気の天才」への伏線がまるで活かされていない。本編の方は今のところ上手に進んでいるのでこれからの挽回に期待。
■アナバシス(クセノフォン)
現代史でも滅多にない「敵中横断6000キロ」軍記。
描写そのものは淡々としており、兵站や現地勢力との交渉に腐心する指揮官の労苦が味わえるが、事件はドラマそのものであり、これを映画化せずに「トロイ」や「300」なんぞでお茶濁しているハリウッドは全員ボンクラか。
■リトアニア(原翔)
このほかに同著者で「エストニア」「ラトビア」あり。
バルト三国の今昔を徹底的に書ききった一般書はおそらくこれだけだろう。
異国文化万歳、とはならず「中世の大国」「(旧ソ連で)民主化第一号」といったかつての栄光に縋らざるを得ない小国の悲哀がシビアに書かれていた。(民主化第一号国家なのに、ホテルでの盗聴という、旧ソ連そのまんまなエピソードの紹介はある意味残酷極まる)
■第二の罪(ラルフ・ジョルダーノ)
ユダヤの生き残りが徹底的にナチスと戦後(西)ドイツを糾弾する本。
東ドイツと現代イスラエルの蛮行は徹底的に無視(著者は元ドイツ共産党員)。80年代に書かれた本なのだから、これはちょっと弁解できないだろう。
この厚顔さが「ユダヤの罪」であることに気づかないのだろうな、きっと。
■ダ・ヴィンチ 天才の仕事
非常に有名なダ・ヴィンチのノート(コードではない)をCGでカラフルに再現した本。
当時彼が構想していた動力とかの原理を知るには非常に役に立ったが、昨今のCGに慣れていると何だか「セカンドライフ」的な絵柄が稚拙に見えてくる。
高度な事をやってくれている筈なのに。読者は贅沢だ。
■小説フランス革命III 聖者の戦い(佐藤賢一)
意外にも、主人公は前巻でミラボーにバカにされていた(と思った)タレイラン。
革命初期の議会の紛糾ぷりが小説で分かるというのが凄い。
(俺の卒論は恐怖政治期だったので実のところ議事で困る事はなかったのだ)
サン・ジュストの登場のさせ方は如何にもだが、狙ってやっても嫌みにならないのがこの作家の上手いところ。
■神は妄想である(リチャード・ドーキンス)
「利己的遺伝子」の著者が今度は徹底的に宗教を糾弾。
宗教意識がないとされている日本人も実はどっぷりとアミニズム信仰にハマっているのだから対岸の火事扱いしてはいけないのだろう。
お得意の「ミーム」論に話が入ると眠くなるのは俺だけか?
■アイゼンファウスト1&2(長谷川哲也」
■ナポレオン 獅子の時代11(長谷川達也)
暴走機関車劇画家がいきなり三冊も出したので俺歓喜。
どれも期待を裏切らない。小判に小便をぶっかける鳥居耀三とスタール夫人をタコ殴りにするカルノー(知らない人はどっちもぐぐってね!)はこの人にしか描けん。
■イスラム教史(嶋田襄平)
現代情勢に傾斜しがちのイスラームの経緯由来を知りたい人向け。
まず本屋の店頭には置いていないのが残念(絶版ではないので注文可能だが)。
■ノルマン騎士の地中海興亡史(山辺規子)
これはテーマが面白かった。
フランスの片田舎から身一つで出てきたバイキングの末裔が、地中海世界で大暴れして「カノッサの屈辱」で神聖ローマ皇帝を屈服させた教皇(グレゴリウス7世ヒルデブラント)すら手玉に取り、しまいに南イタリア〜チュニジアに至る大王国を作ってしまう一代記。
この後断絶とか暴動とかでグダグダになってしまうのが、如何にも中世イタリア的。
■第三帝国の興亡(W.シャイラー)
60年代の著作の復刊。読み応えは非常にある。
誇大妄想狂とヤクザが国を盗るとどんな悲劇が起こるかが見事に書けている。
日本の場合は「軍部の暴走」なのだろうが
ドイツの場合は「バカの暴走に付き合ったら引っ込みのつかなくなった軍部」なのだろう。
両国の闇を一律にファシズムとの言葉でぶった切ろうとすると危険である。
■さよなら絶望先生17(久米田康治)
相変わらずのノリ。だが表紙から望先生が脱落してしまった。
おまけの「罪記の家」は妙に笑えた。
■図解 量子論がみるみる分かる本(PHP)
タイトルに偽りなし。しかも500円。
ちょっとでも興味がある人は絶対買うべし。
知ったからといって生活が何か変わる、という訳でもないが。
■シュメル 人類最古の文明(小林登志子)
人類初の都市国家やら文字やらを形成した民族。
今のイラクのあたりに居たが、今のアラブ(セム)系とは言葉も風貌も違っていたそうな。
丸顔だったらしい。今も居たら面白かったのに。
■羊皮紙に眠る文字たち スラブ言語文化入門(黒田龍之介)
語学知識ゼロに語学の面白さだけが伝わってくる。
同じスラブ系でもロシアとウクライナとブルガリアで云々、という話は大好きなので殆ど一日で読んでしまった …とはいえ一人で漫才しているような文体なので早く読めても自慢にならない。
なんでもマイナー言語というだけでアンテナが立つ人のようなので他の著作にも目を通してみたい。

February 11, 2009

読書メモ

ジュンク堂では一回のお買い上げが1万円を超えると布製のバッグをつけてくれるそうです。
(この前重い本ばかりだったので何とかしろと噛み付いたら教えてもらった。ひでぇ客)
20090211_2

■アラビア文字事典
ほんのちょっと文字を知っていれば実に面白い。
子音の組み合わせに意味がぶら下がるセム語であること、母音が少ない(3音だけ!)といった特性には見事に対応した文字ではあるが母音が多いペルシア語(6音、二重母音を除く)やトルコ語(8音)の表現はやはりキツい。
有名な章句の引用はローマ字だけでなく、アラビア文字もつけてほしかった。
■中東・北アフリカの音を聴く
最近こっち系の音ばかり聴いているので基礎知識のお勉強のつもりで購入。
でも楽しい旅行記風だった。衝動買いにはこういう楽しさがある。
イラン音楽は対象外だったのが残念。一冊あるんだが、凄く高度な専門書なんだこれが…
■インド細密画への招待
「濃い」絵の極致かと思われるインディアン・ミニアチュール。
これにハマった民間企業の元駐在員がまとめた入門書。新書ながらカラーで贅沢な内容。
■戦闘技術の歴史 1古代編
創元社はときどき無駄に豪華な歴史本を出してくれる。
むかし神竜剛次(というか原作者の雁谷哲が)「古来成功した籠城戦はないッ!」と啖呵を切っていたがウソじゃん。攻城機が発達するまで、とりあえず籠城→攻撃側をグダグダにさせて勝利が王道だったそうで。
■京阪神モダン生活
今じゃ吉本のアホ芸人しか思いつかない関西現代文化だが(すげぇ差別)、戦前は商都に古都に海都にと日本全体の文化の牽引者だったらしい。
そういや最近、「東洋発」「東洋一」という言葉を聞かなくなったなぁ。
■西夏文字
恐ろしい本だ。
600年以上解読不能になっていた文字を(もちろん先人の貢献もあるが)あらかた解読してしまった大学者が入門者向けに淡々と解読の過程を語っている。
書道(の精神第一主義)が嫌いな俺だが、この字なら書き初めとかでやってみてもいいかも。
どんな文字かはこちらで。
■遊牧民から見た世界史
なんかなぁ…モンゴル大好きフビライ萌え〜(はあと になっちゃった気がしてならない。
「中国の歴史」では目から鱗だった同じ著者の名?調子がこちらでは仇になった様子。
■小説フランス革命「1革命のライオン」「2バスティーユの陥落」
しばらく遠ざかっていた佐藤賢一の歴史小説だが、テーマがテーマなので慌てて購入。
上手いねこりゃ。本当に活き活きした人物描写だ。
控えめなロベスピエールが今後どう壊れ、というか完成されていくのか注目。
■論語
おそらくいちばん読みやすい宮崎市定訳注の論語。
ただし訳者の思想にドップリ浸かるリスクも大。今もエキセントリックな学説なんだろうか。
■福音書
久しぶりに読んだが、やっぱり
・ヨセフはダビデの子孫
・マリアは処女懐胎した
・でもイエスもダビデの正当後継者
のあたりの矛盾&放置っぷりに意地悪く笑ってしまう。
■進化で読み解くふしぎな生き物
「へんないきもの」が火付け役になった珍生物紹介本。
この手のはネタがつきない。今回の注目株は同じ遺伝子なのに「成虫になって繁殖する役」と「よその個体の幼虫をひたすら攻撃してそのまま変態しない役」に幼虫が分化するハチの一種あたりか。
■自然界の危機600種 有害生物図鑑
学研のカラー図鑑。でも当然ながら子供向けではない。
吸血系の昆虫には必ずと言って刺されている皮膚の拡大写真があって、結構寒気がたつ。
(誰かが人柱になったのか?)
あと身近な野菜や園芸植物の殆どが有害というのも(ジャガイモの芽やユリの根は有名だが、チューリップやレタスも危ないケースが)キツかった。
■にぎり寿司三億年
山上たつひこのセレクション第2巻。
…よく「がきデカ」で多忙な時期にこんなイカれた(褒め言葉)短編をいくつも出せていたものだ、と感動。
タイトル作のシュールさもさることながら、「ファーブル新婚記」の静かな狂いっぷりや「沈没村から
」の破壊力も凄い。特に後者は何でこのご時世に出版できたのか不思議。

November 13, 2008

読書メモ

ここのところ語学書に引っ張られてあまり読めてない…

■第三帝国の興亡(W.L.シャイラー)
 分厚いハードカバーで全5巻。只今3巻でポーランド侵攻直前。
 水木しげるの「劇画ヒットラー」のネタ元かも。
 極めて定説な内容だが、まぁとにかくナチスが無茶苦茶だったのはよく分かる。
 経済復興とかいうけれど、戦争しなければいつか破綻するような景気刺激策だったしなぁ。
■アラビア科学の歴史(D.ジャカール)
 創元社の「知の再発見」双書。
 西欧では暗黒の中世だったはずの時期に、中東では科学は大発展した。
 ただ、数学にせよ医学にせよテクノロジーにせよ皆オリジナルはギリシアやインド・中国で、
 「発明」があまりないのが気になる。
■法廷ライブ(産経新聞社)
 「秋田連続児童殺人事件」「セレブ妻 夫バラバラ殺人事件」の2冊。分厚いが臨場感があってすぐ読める。
 何か両方とも被告が女性なのは物足りない。
 むかし連れ子と義父母をぶち殺して死刑確定した鬼畜男が隣のマンションにいたことがあるが、
 そういうのも見てみたい。
 しかし読めば読むほど俺は裁判員には向かない。「推定有罪」とかやってしまいそうだ。
■元死刑執行官だけが知る監獄の叫び(藤田公彦)
 ちょっと前まで明るいデザインで「刑務官募集!」というポスターがあったけど、御免被る。
 何かこんな奴ら=囚人の飼育費に血税が流れ込んでいるかと思うと気が滅入ってきた。
 もう殺人の再犯なんか有罪=死刑にすりゃあいいのに。
 <ここで豆知識:死刑廃止したフランスでは逮捕前の射殺件数が日本の40倍以上です>
■遺品整理屋は見た!(吉田太一)
 何か変な本ばかり読んでいるなぁ。
 でも、この手の話に親しんでいると(親しむな)、あまりショッキングではない。
 死んでも全く関わろうとしない子供と、子供思いだった(と思われる)故人との関係を不思議に思う話があったが、
 これは故人が変な活動に関わっていたのではないかと。
■洗脳の楽園・ヤマギシ会という悲劇(米本和広)
 で、「変な活動」の一例。
 親元にいた頃、よくここの販売車が変な調子でがなりたてていた。
 実の親が洗脳されて狂っているというのに、自力で社会に脱出した子供達は本当の強者。
 最近会は萎み気味だというから、世の中にはちょっと期待したい。
■謎とき・坊ちゃん(石原豪人)
 伝説の挿絵画家唯一の著書(死後発表)。
 誰でも知っているあの名作がえらいことになっておる。
 ダメだ、もう漱石はまともに読めない。
■中世の非人と遊女(網野善彦)
 この手の研究は文献資料に殆ど頼り切りにならざるを得ないので、研究者により解釈が分かれるのは仕方ないが、
 職人・芸人への畏怖→畏怖が(違和感を経て)蔑視に転換→賤民と職人が分化
 という説は説得力がある。
 実態はともあれ農本主義を建前にした徳川時代は職人・芸人にとって過酷なサバイバル時代だった訳だ。
■ハディース(牧野信也訳)
 クルアーンが神の言葉ならばハディーズはその使徒たちの言葉。
 イスラームの生活規範の原点はこちらにある方が多いらしい。
 とにかくおっかないクルアーンに比べると、なんだか雰囲気がほのぼのしているような気がしないでもない。
 当人達は大真面目なんだろうが、異教徒が見ると吹き出してしまうような問答もある。
■不安の種、不安の種+(中山昌亮)
 「百物語」のマンガ版。全7冊。
 ビジネス劇画からデビューしたベテランだけあって絵が上手いから、怖い。
 因果応報な話はなく、殆どが混沌系。
■黒鷺死体宅配便10(大塚英志+山崎峰水)
 ほのぼの死体漫画。
 とりあえず死体への耐性をつけたい人の入門書としてはいいかも。
 (とはいえ死体専門サイトは相変わらず勘弁して欲しい俺)
 仲間のプロフィール紹介が一通り終わったので、これから核心に切り込んでいくのか?
■ナポレオン 獅子の時代10(長谷川哲也)
 キャラクター設定(全員変人)と剛胆なフィクション挿入で、凄まじいテンションを保っている
 連載中漫画の最高傑作(個人的評価)。誰か映画化してくれ。
 巻を重ねるごとに絵柄が「原哲夫の元アシスタント」から離れていってくれているのは嬉しいものの、
 主要登場人物がどんどん人間離れしてきている。タレイラン最高。
■センゴク天正記1~3(宮下英樹)
 前作「センゴク」連載開始の頃は「下手糞」と思っていたのだけれど、いつの間にか化けていた。
 で、前作を読み返してみたら当初から結構面白かったので反省。
 歴史物をやってみるときは、通説を拡大する(例:謀反人明智光秀)かひっくり返す(愚将武田勝頼)かすると
 かなりの確率で面白くなるものだ。
■ピースメーカー(皆川亮二)
 「スプリガン」「ARMS」「D_LIVE」の作者なので相変わらず描写が異常に細かい。
 主人公がのんびり屋さんなのも結構共通している。
 が、仮想世界の話をここまできっちり描けるのはベテランならではなのだろう。
■さよなら絶望先生15(久米田康治)
 相変わらずのノリなので安心して笑えるが、よく考えたらこの作者、
 下ネタだけで30巻、妄想ネタだけで20巻とか平気で長期連載をこなすのだから只の精神構造ではない。
 望先生の絶望に、毎回可符香ちゃんが爽やかに反論する(膨大な例証付き)というネタは真似できない。
 後書きの「紙ブログ」も絶望ネタに統一しているようにみえて何かが抜けた明るさがある。
■地球温暖化論への挑戦(薬師院仁志)
 環境問題が「問題」から「論議」に変わりつつあるような今日この頃であるが、
 一足早く「問題」の問題を指摘していた本。
 著者はもう、何も語りたくなくなっているようだが武田邦彦センセーが急速に怪しくなっている今こそ色々と
 語って欲しいのだが。

December 19, 2007

読書メモ

1219

相変わらず読んでます。やっぱり歴史関係が多いなぁ。

華栄の丘
主人公が善人で、ちょっと信じられないほどの活躍をするという宮城谷節は相変わらず。でも本作では宋というマイナー国を舞台にしたのが上手く作用していた。
ルビコン
ケンブリッジ首席卒業生の歴史家によるシニカルな共和制末期の古代ローマ描写。本邦の某「物語」に毒されていると新鮮かもしれない。
メロヴィング王朝史話
「未完」との断りがあるとはいえあまりに尻切れトンボ。当時の頽廃ぶりの描写は面白かった。明らかに悪役の筈のキルペリクが何だか憎めない。
中国の歴史08 疾駆する草原の征服者
何でも巻ごとの落差が激しいらしいシリーズと聞くが、これは面白かった。モンゴルを頂点とする中世期の北方民族の興亡がモチーフなのだが、実に意外な人物が事実上の主人公。
偽書「武功夜話」の研究
信長は謀略で殺されたのか

おなじ二人組による共著。知らなかったが「武功夜話」に殆ど「東日流三郡誌」と同じ経緯があったのには驚いた。あと、本能寺の変は、背景や謀略も何も、あの時代にあれだけの(天下人暗殺の)チャンスが転がり込んできた時に、それを利用しない戦国武将はいないとの持論だったので本書に賛成。
ナポレオン 獅子の時代(8)
最強歴史劇画。確信犯的に織り交ぜてくるフィクションと史実のバランス感が最高。ロディ橋の走破シーンの迫力は圧倒的。ハリウッドとかの先端技術満載のシーンに全く負けていない。マンガの可能性を再確認させて貰えた。
死の家の記録
ドストエフスキーの描くロシア社会は、本当に不潔な印象がする。本作は舞台が流刑地なんで当然なのだがそれにしても鬱々とする内容だった。本邦戦前のタコ部屋労働に比べればマシではあるが。
カラマーゾフの兄弟5 --エピローグ別巻
最新訳。訳者による「解題」は面白いしいろいろと納得できる。一回意地で読破したものの力尽きた俺には有難い。
レイザー(4)
「御用牙」in USAいちおう完結。「キャラが立っていればストーリーに矛盾があっても構わない」小池一夫節が全開、というかここまで徹底すること無いだろ!とツッコミ(小池劇画は本当に突っ込むからなぁ)を入れたくなる怪作。
ラヴクラフト全集
いわゆる「裏設定」ものの元祖。というか作者は本当に「クトゥルフ神話」的な脅迫観念に悩まされ続けていたような気がする。
日本探偵小説全集(11)
「監獄部屋」が目当てで買ったのだが、さすが創元社の全集だけあって他の短編も面白い。谷崎潤一郎が叙述トリックものを書いていたとは知らなかった。
脳が殺す
対象がシリアルキラーなので実録ドキュメントを期待していたら、とても真っ当な教育論だった。やはり子供をいぢめちゃダメというか、アメリカ家庭の躾の常識ってもの凄く恐ろしかったのですが。
死刑囚ピーウィーの告白
非常に嘘くさい。ドジって死刑囚になってしまった人間の、ヤケクソ語りじゃないだろうか。テッド・バンティやアンドレイ・チカティロとは違って本書以外に研究書が殆ど見当たらない、というのも怪しい。
時計館の殺人
新正統派と呼ばれている(らしい)推理作家の「~館の殺人」の一作。これがいちばん面白かった。ヒネりは少ないのが正統派たる所以か?
脳男
個人的ガッカリ大賞。素材を並べればいいってものではない、という典型的な悪例。もう「乱歩賞」など信じない。
面白いほどよく分かるイスラーム
入門書。出版社はアレなところだが、このシリーズは結構面白い。まぁ、コーランはおっかないけれど他の穏健な宗教も結構教典はアレなところも多いし…
無利子銀行論
いま経済誌とかで話題になっている「イスラム金融」の入門or参考図書。著者はフセインに暗殺されたシーア派の学者。今、甥がシーア派民兵指導者に納まっているが、オジキほどの学識はないらしい。
虫の味
タイトルのままの内容。行きつけの小料理屋の女将がほとんどモルモット状態なことを淡々と書いているのが面白い。
サプライチェーンの経営学
まぁサプライ(供給・物流)を制すことができればビジネスを制すことも出来るのだろうけれど、多分に結果論的なものも混ざっているなぁ、という意地の悪い感想。
交通と物流
旧運輸省のOB様がまとめてくれた入門書。よく書けているとは思う一方で、一応キャリアだったんだからこれくらい出来て当然かとも。ところで「国土交通白書」は内容がお花畑なので一読の価値あり。納税者を続けていくのが辛くなるかもしれないが。
物流コストを半減せよ!
著者の院卒→日通総研という経歴からして、人に頭下げた経験がないんだろうなぁというのがシミジミ伝わってくる。全編にわたり「俺(を仮託した主人公)カッコいい」の洪水。しかも参考になる箇所が見事なくらいに、ない。図書館で借りて、印税を落とさずに済んで良かった。
まるごと705NK
いま使っている携帯の解説書。いちおうスマートフォンなので、面白い使い方がけっこうあることは分かった。でも、殆ど通話しかしてない。
電波利権
あっちのデンパではないので注意。社会の木鐸とかいっておいて再販制度や「押し紙」問題はスルーしまくる新聞社とテレビ局は所詮同じ穴のムジナだと思っていたら本当にそうだったらしい。しかし新聞もテレビも見なくなったが全然困らんなぁ。
山歩き入門
山どころか歩くのも不足がちなのに何故か買って読んだ。当たり前だが、自然を舐めちゃダメ。

May 13, 2007

読書メモ

イランを知るための65章
イランは神の国イランをどう考えているのか

イラン二連発。
この2冊の組み合わせで「遠くて遠い国」イランの表裏が少し理解できたかも。
謎解き「カラマーゾフの兄弟」
一回何とか読み切って力尽きた人への必携の書。
後で分かったことの多いことといったら。
ピカレスク 太宰治伝
ウルトラスーパーデラックス駄目人間の伝記。
井伏鱒二も相当アレな人間だが、すごいトラウマを抱えていたのでちょっと情状酌量の余地ありかも。
ナポレオン 獅子の時代(7)
最強歴史コミック。
キャラ立てといい、台詞回しといい、ギャグ物としても最高の出来。
さよなら絶望先生(8)
祝 アニメ化&講談社漫画賞受賞。
しかしこれで自称三流の自虐ネタができなくなったな(ニヤリ

April 10, 2007

読書メモ

図解 高速無線通信がわかる
入門書としては非常にわかりやすい。しかし、予測される未来像にはオーウェルの「1984年」的危なさが…
イラン・ジョーク集
素朴なギャグにほのぼの。ホメイニーネタがないは仕方がないか…
創価学会(新潮選書)
ガチンコで創価と喧嘩している新潮とは思えないくらいに客観的描写。良書。
悪霊(ドストエフスキー)
首吊んなよバカ!

うぉお、読んでない本が貯まっていく…_| ̄|○

より以前の記事一覧